WORKS of SumaYi

司馬懿の著作


讌飮詩

238(景初二)年、司馬懿が公孫淵討伐に向かう途中、故郷の温県で宴を開き、その折に作ったという詩。

 天地開闢 日月重光  天地開闢して、日月光を重ぬ。

 遭逢際會 奉辞遐方  遭逢際會、辞を遐方に奉ず。

 將掃逋穢 環過故郷  將に逋穢を掃はんとし、環りて故郷を過ぐ。

 粛清萬里 総齋八荒  萬里を粛清し、八荒を総齋し、

 告成歸老 待罪武陽  成を告げて歸老し、罪を武陽に待たん。


意訳
天地開けて、日月輝く。
いま明主にお仕えして、遠方出征の命令を受けた。
賊を一掃しようとして、故郷をよぎることとなった。
万里を粛清して、国の八方をおさめ、
成功の結果を奏したならば、隠居して、武陽で論功行賞を待つこととしよう。

語句
奉辞 魏の命を受けたこと。
遐方 遠方。
逋穢 逋はのがれる。穢はけがれ。遁走した賊徒・公孫淵のこと。
待罪 論功行賞を待つことを謙譲しているらしい。
武陽 温県に近い陽武県。


青青生コメント
 さすが司馬懿、真心のこもってない詩です。
 勇ましさと忠義心をブチあげて、ラストは無欲に隠居したがってますが、
 型どおり感100%ですね!
 これ以外、司馬懿が書いたものって残ってないみたいで、
 ちっとも肉声が聞こえてきません。
 この詩を詠んだ場所は、史跡として残っているらしいです。(「史跡」ページ参照)